「自分にふさわしい相手って、一体どうしたらわかるのかしらねぇ。成就はしなかったけど、そんな相手に出会えたミユキが羨ましいわ。」

「ふさわしい相手がどうやったらわかるか?出会えばきっとそれがわかりますよ。」

「えー、わかんないー。ミユキの場合はどんなだったの?」

「うーん、とにかくね、どんなことがあっても繋がっていくんです。どんな問題があっても離れるようなシチュエーションがあっても、いつもそばにいるような。」

「いつもそばにねぇ。」

「何か困った時、誰かを必要としてるとき、不安な時、感動した時、とにかく、自分の気持ちが揺れ動いてる時に助けてくれたり、共感してくれたりっていうこともあったかな。節目節目ごとに彼の顔がそばにあるって感じでした。」

「へー、そりゃ、好きになるよね。節目ごとかぁ。困った時、不安な時、助けてくれる・・・。」

そう言いながら、澤村ショウヘイの顔がフッと頭に浮かんだ。

いやいや。

すぐにかき消す。

確かにね、あの時は助けてもらったし、ありがたかったわよ。

でも、繋がってるわけじゃないし。

・・・繋がってないってこともないか。

いやいや。

ジョッキに残っていたビールをぐっと飲み干した。

「じゃ、すぐに好き-!とか運命感じちゃう!とかそういう感じではないの?じわじわー好きになっていく感じ?」

私は後輩に何を聞いてるんだ。

恋愛相談みたいじゃない?

ミユキは、楽しそうに微笑んだ。

「すぐに好き!なんて全然なかったですよ。少なくとも私達は。だって出会いは高校教師と1生徒っていう関係だったし。それから二年後の同窓会で再会して、それからです。色々と相談に乗ってもらってるうちに、かけがえのない存在になっていったっていうか。」

「そっか。」

「チサ先輩、なんだか心当たりありそうな顔してますけど?」

ミユキが私の肩に手を置いて顔を近づけてきた。