「とりあえず、友達が怪我して身動き取れないからしばらくその友達の家に泊まるって言っておくわ。本当のことだし。」

「そ、そりゃそうだけどさ。」

「今日はこのまま泊まらせてもらって、明日の午前中会社半休とって、着がえや荷物を取りに帰ってくる。ここに運んだら出勤するわ。」

少し興奮してドーパミンがいっぱい出てるからか、次々とこれから先の予定が頭に浮かんでくる。

「本当にいいのか?」

そんな私を穏やかに見つめながら、ショウヘイは尋ねた。

「ええ、いいの。私がそうしたいの。」

私はバックからスマホを取り出して、自宅に電話をかけた。

最後のプッシュボタンを押そうとした時、私のスマホがスッとショウヘイに引き抜かれる。

そして、そのままショウヘイに抱きすくめられた。

ショウヘイの体は熱があるんじゃないかと思うくらい熱かった。

私の鼓動なのかショウヘイの鼓動なのかわからないくらいにお互いの鼓動がお互いの体の中に響いていた。

「お前って、やっぱ不思議な奴だな。」

ショウヘイが小さくつぶやいた。

「今日はありがとう。俺は大丈夫だから、早く家に帰れ。怒られそうだけど、さっき言ったのは冗談だから・・・。」

「冗談なんて言わないで!」

私はぐっとショウヘイの胸を押して自分から引き離した。

ショウヘイの目をじっと見つめる。

次の言葉を探していた。

私、どうすればいい?

「だから、お前のその顔、やめろって。」

ショウヘイが私の唇を塞いだ。

熱くて、甘くて、激しいキスだった。

昨晩とも違う、そして、今まで誰ともこんなキスしたことがなかった。

・・・あなたが欲しい。

ショウヘイの体を強く抱きしめた。