私はともかく、ショウヘイはきっとお腹空いてるよね。

今から買い物行く元気はさすがになかった。

「冷蔵庫見ていい?」

ショウヘイは、リビングのソファーに座ったまま、「いいよ。」と言った。

「でも、大したもんないかも。」

「期待はしてないけどね。念のため。」

冷蔵庫を開けると、ソーセージ一袋、卵3個、それからキャベツが半分ほどあった。

「冷蔵庫にあるもの全部炒めてもいい?」

「何があったっけ。」

「ソーセージと卵とキャベツ。調味料は塩こしょうがあればいいわ。」

「うん。適当に使って。」

流しの下の開きを開けると、調味料がいくつか置いてあり、おっ、ラッキー。

チンすればできる白ご飯が丁度2つあった。

「ご飯も使わせてもらうわね。」

料理はね、意外と得意なのよ。これでも。

材料を高速で切って、塩こしょうで炒めた。

最後に炒り卵にして炒めたものの上に乗せる。

温めた白ご飯と一緒にショウヘイの座るソファーの前のちゃぶ台に持って行った。

「うわ、うまそ。」

「どうぞ、召し上がれ。」

「いただきます。」

ショウヘイは嬉しそうに食べた。

あまりにも一気にかき込むもんだから、途中むせて大変だったけど。

でも、そんなけがっついてくれる姿を見て、私も嬉しかった。

久しぶりだな。

自分の作ったご飯を人に食べてもらうの。

「おいしい」って食べてくれる人がそばにいるだけで、こんなにも幸せな気持ちになるもんだったのね。

私が半分食べ終わらないうちに、ショウヘイは「ごちそうさま。うまかった。」と言って、テーブルにお皿とお箸を置いた。