会社に着いて、人事部フロアに入る。
頭の中から抹消しようと思えば思うほど、自分の耳を塞ぐショウヘイの熱い唇が蘇ってくる。
あの夜以上に、心臓が激しく脈を打っていた。
彼のデスクにちらっと視線を向けると、彼の姿はなかった。
出張かもしれない。
残念だけど、この緊張から逃れられると、幾分ホッとした。
少しずつ、鼓動が落ち着いてくる。
自分の席にゆっくりと腰掛けた。
昨日の熱い抱擁とキスは、彼の気まぐれだったのかもしれない。
朝の通勤電車に揺られながら、だんだんとそう思えてきていた。
だって、ショウヘイは「君みたいな女性には興味ない」って何度も私に言ってたし、「好きだ」「付き合おう」なんて言葉も一切なかった。
なのに、私がこんなにも浮かれていたら、最終的に振られた時のショックは計り知れない。
今のうちに、この浮かれモードを切り替えなくちゃいけないんだ。
本当に私とどうにかなりたかったら、もっとストレートな言葉をぶつけてくるはずだ。
私が少しショウヘイに気持ちが揺さぶられてるのに気づいて、あんな風におちょくってるってこともあり得る。
両頬を手でパンパンと軽く叩いて、パソコンを開いた。
その時、ミユキが私のデスクの横に来て言った。
「チサ先輩おはようございます。先輩が来る少し前に澤村さんから電話が入って、今日は病院立ち寄りで少し遅れられるそうです。」
澤村っていう言葉が耳に飛び込んできただけで、一瞬にして鼓動が激しくなった。
必死にその鼓動に抵抗しながら、ミユキに尋ねた。
「病院立ち寄り?」
「はい、何でも昨晩自宅前で転倒して足をケガされたみたいです。病院立ち寄りなんて、骨でも折れてなきゃいいですけどね。」
ミユキは、少し心配そうな顔をして言った。
頭の中から抹消しようと思えば思うほど、自分の耳を塞ぐショウヘイの熱い唇が蘇ってくる。
あの夜以上に、心臓が激しく脈を打っていた。
彼のデスクにちらっと視線を向けると、彼の姿はなかった。
出張かもしれない。
残念だけど、この緊張から逃れられると、幾分ホッとした。
少しずつ、鼓動が落ち着いてくる。
自分の席にゆっくりと腰掛けた。
昨日の熱い抱擁とキスは、彼の気まぐれだったのかもしれない。
朝の通勤電車に揺られながら、だんだんとそう思えてきていた。
だって、ショウヘイは「君みたいな女性には興味ない」って何度も私に言ってたし、「好きだ」「付き合おう」なんて言葉も一切なかった。
なのに、私がこんなにも浮かれていたら、最終的に振られた時のショックは計り知れない。
今のうちに、この浮かれモードを切り替えなくちゃいけないんだ。
本当に私とどうにかなりたかったら、もっとストレートな言葉をぶつけてくるはずだ。
私が少しショウヘイに気持ちが揺さぶられてるのに気づいて、あんな風におちょくってるってこともあり得る。
両頬を手でパンパンと軽く叩いて、パソコンを開いた。
その時、ミユキが私のデスクの横に来て言った。
「チサ先輩おはようございます。先輩が来る少し前に澤村さんから電話が入って、今日は病院立ち寄りで少し遅れられるそうです。」
澤村っていう言葉が耳に飛び込んできただけで、一瞬にして鼓動が激しくなった。
必死にその鼓動に抵抗しながら、ミユキに尋ねた。
「病院立ち寄り?」
「はい、何でも昨晩自宅前で転倒して足をケガされたみたいです。病院立ち寄りなんて、骨でも折れてなきゃいいですけどね。」
ミユキは、少し心配そうな顔をして言った。