気がついたら空の上を飛んでいた。
少しウトウトしていた私の頭上で機長の声が響く。
「長旅お疲れさまでした。まもなくオーストリア、ウィーン国際空港に到着致します。シートベルトをしっかりお締めになって・・・」
慌てて上体を起こして、お腹の上のシートベルトを固く締めた。
あれは、先週のことだったっけ。
私の30歳の誕生日。
5年付き合っていたタカシと、毎年恒例のシティホテルの最上階ラウンジでお祝いをしていた。
30歳という年齢の節目もあって、この日、タカシからプロポーズがあるであろうと踏んでいた。
いつものようにワインで乾杯する。
でも、なぜかタカシはいつものように「おめでとう。」とは言わなかった。
単に言い忘れているだけだろうと、別段気に留めることもなく次々に運ばれてくるお料理に舌鼓を打つ。
一通りのお料理を食べ尽くした後、くつろいだ気分でコーヒーを飲んでいた。
そろそろ・・・。
きっと、そろそろだ。
タカシの表情がいつになく緊張していた。
少しウトウトしていた私の頭上で機長の声が響く。
「長旅お疲れさまでした。まもなくオーストリア、ウィーン国際空港に到着致します。シートベルトをしっかりお締めになって・・・」
慌てて上体を起こして、お腹の上のシートベルトを固く締めた。
あれは、先週のことだったっけ。
私の30歳の誕生日。
5年付き合っていたタカシと、毎年恒例のシティホテルの最上階ラウンジでお祝いをしていた。
30歳という年齢の節目もあって、この日、タカシからプロポーズがあるであろうと踏んでいた。
いつものようにワインで乾杯する。
でも、なぜかタカシはいつものように「おめでとう。」とは言わなかった。
単に言い忘れているだけだろうと、別段気に留めることもなく次々に運ばれてくるお料理に舌鼓を打つ。
一通りのお料理を食べ尽くした後、くつろいだ気分でコーヒーを飲んでいた。
そろそろ・・・。
きっと、そろそろだ。
タカシの表情がいつになく緊張していた。