「もう〜〜」


「ごめん、ごめん。行こうか」


微笑んだ葵くんは私のカバンを持ってくれる。


「葵くんっ、いいってば」


「これくらい持たせて?レディーファーストだよ」


小さい頃からの仲のわたしにもレディーファーストを忘れない王子様感。


なんていうか、葵くんの雰囲気にあってる。


わたしは今日も逆らうことができず、葵くんにカバンを持ってもらってそのとなりを歩いた。