side葵


「葵くん、口にマヨネーズついてるよ」


そういってクスクス笑う梨花はティッシュをとって俺の口元をふいた。


「ありがとう、りんちゃん」


この猫かぶりはいつまで続くだろうか。
梨花の前では”かわいい葵くん”
そうしないと、梨花は怖がって俺に近づかなくなるから。


「りんちゃんの作ったご飯は全部好きだけどエビフライはやっぱり格別だね」


「そういってもらえると嬉しいよ」