龍の運転する車が見えなくなってから、校舎に向かって歩きだすけど、今日の鞄重たい。
「れいちゃん、おはよう」
私の、小学生の頃からの幼なじみ。
だったはずなんだけどね。
「……」
私の方を見て、「なにも聞こえてません」って顔して、無視をする。
こうやって、れいちゃんに無視されるようになったのは、ここ最近。
れいちゃんのパパも「裏の世界の人」
「山崎組」の組長さん。
その山崎組と私のお家の高梨組が、敵同士になってしまって、高梨組の方が優位になってるってわけ。
だから、れいちゃんは私のことが気に入らないの。
れいちゃんに無視されるのは悲しいけど、仕方ないよね。
誰だって自分が1番可愛いんだもの。