「龍(りゅう)、おはよう」 玄関の前に停まっている、黒塗りの高級車に乗り込む。 「あぁ、おはよう。夏」 「わざわざ、ごめんね」 いつも龍が運転する車は、龍がハマってるバンドの曲が流れる。 いつもはロックなのに、今日はバラードなんだね。 「いや、気にすんな。お前送ったらそのまま仕事向かうし」 「そう?ありがとう」 龍が優しいのは昔から変わらないなぁ。