玄関で靴を履いている時に、貴一が鞄に折りたたみの傘を入れてくれている。


「夏の鞄は、いつ見ても汚いわ」


って笑いながら、もう日課になってる私の鞄整理をしてくれている。


「こうやって、貴一が整理してくれるから、別にいーの!行ってきます!」

「おう、気ぃつけてな」


貴一が見送ってくれたあと、私がもう一度大きい声で挨拶をすると、家の中に居た人達が口々に、

「お嬢、行ってらっしゃい!」
「夏、学校サボんじゃねぇぞー!」
「行ってらっしゃい!」

こうやって挨拶を返してくれる。

これが、私の毎朝の日課。