店の中を見渡していると1本の刀が目に留まった。




『そこの刀、見せてもらってもいいですか?』



「え?これか?はいよ。
…そりゃぁどんな奴にも抜くことの出来ねぇもんだからやめた方がいいんじゃなかな…ボソッ」




店主が何かぶつぶつと言っていたけど私の目はその刀に釘付けになっていて聞く耳を持たない。




刀を横に持ち、抜刀した。




「えぇえぇっ?!?!嬢ちゃん!その刀に抜けたんか!?」




『はい(?)』




「それ、誰にも抜けねー刀だったもんだから処分しようとしてたんだ!助かった!!嬢ちゃんにくれてやるよ!あとその短刀もな!」



『え!!いいんですか?!』




「おう!」




なんて優しいお方なのだ。




『この刀の名前は?』




「それがなぁ……その刀だけ忘れちまったんだよ。それ以外の刀はぜーんぶ覚えてるんだかな……奇妙な刀だよな」




『そうですか……思い出したら名前、教えてくださいね!』




「わかったよ!じゃあなー」




『さようなら!』