久美さんと横須賀に行って、次の日から2日間は3人で房総半島に行った。
帰宅した次の日、久美さんは北海道に帰って行ったけど、最後まで私の心配をしていた。
危うく北海道で私の就職先を探されるところだった。
「姉さん達はまた転勤があるだろ。志織はそっちには行かせないよ」と洋兄ちゃんのひと言で久美さんはしぶしぶながらもあきらめてくれた。
「ありがと。私は大丈夫だよ。あれだけ飲んで騒いでってしたらスッキリした」
「あー、そうね。夕べはしおちゃん騒いだわねぇ」
久美さんは笑った。
房総半島のオーベルジュではワインを飲み、美味しい料理を楽しんだ。
そして、昨夜は3人で家飲み。
久美さんの命令であれからずっと私の部屋着は白猫。
またまたお酒を飲み過ぎてしまい、白猫姿の私はやりたい放題だったらしい。……途中から記憶がない。
やりたい放題って何をしたんだろう。
久美さんは笑って「かわいかったわよ」って言うばかりで教えてくれない。
洋兄ちゃんは「志織はもう禁酒って言いたいところだけど。社会人として飲まなければいけない場面もあるだろうから、乾杯は許すけど。外ではあんまり飲むな」って言うだけ。うーん。
そして、やっぱり最後は洋兄ちゃんの膝で寝た……という。
久美さんのスマホには白猫姿の私の写真が何枚も残されていた。素面で見て卒倒しそうになって途中で見るのをやめた。これは伝説の老酒事件第2幕じゃないだろうか。
お酒、控えよう。
休暇はあと1日。
久美さんを空港に送った帰り道で洋兄ちゃんに言った。
「私も今日うちに帰ろうかな」
洋兄ちゃんは運転しながら横目でチラッと私を見た。
「仕事は明後日からだろ?明日帰ればいいよ」
「うん、でもね。明後日からの仕事に備えて部屋の片付けや食料品の買い物したりしておきたいし、今のスマホを解約して、電話番号も変えて新規契約もしたい。だから、明日は朝から動かなきゃ」
手を握りしめてグーにした。「がんばるよ」
それに、1人でちょっと調べたい事があった。
「わかったよ。でも、今夜の夕食は一緒にたべような」
「うんっ」
過保護だけど、私の自立心も尊重してくれる私の大切な人だ。洋兄ちゃん大好き。ん?
あれ?何だかデジャヴ?
「ね、洋兄ちゃん」
「なに?」
「私、昨日酔って途中からの記憶がないんだけど、もしかして『洋兄ちゃん大好き』とか言った?」
「はぁぁあ?!」
変な声を出して黙ってしまった洋兄ちゃんをジッと見つめた。
「志織、そんなに見るな」
「じゃ、教えて」
「……後で」
「絶対だよ!」
「ああ」
怪しいっ。なんかアヤシイ。
いつでも落ち着いている洋兄ちゃんが私から目をそらすし、心なしかそわそわしてるような。
これは、老酒事件の時のように私が何かしでかしたとしか思えないけど、それだけ?久美さんは昨日は洋兄ちゃんも酔っていたって言ってた。
ナニがアッタンダロウ。
結局、その後も何があったのかを教えてはもらえなかった。
洋兄ちゃんは絶対黙秘だったのだ。
「うそつきー、教えてくれるって言ったのに」
「志織、いいから、何にもなかったから」
「やだ、なんかあった。教えて」
「ないよ」
「洋兄ちゃん!」
「ない」
とまぁ、こんな感じ。
後で久美さんに聞くからもういいや。
夕食後、私はアパートに自分の車で帰宅した。
驚いたことに洋兄ちゃんは自分のマンション近くにもう1台駐車場を借りてくれていて、私が自由に往き来できるようにしてくれていた。
なんて過保護でステキなお兄ちゃんだ。
そんなに甘えていいのだろうか。
帰宅した次の日、久美さんは北海道に帰って行ったけど、最後まで私の心配をしていた。
危うく北海道で私の就職先を探されるところだった。
「姉さん達はまた転勤があるだろ。志織はそっちには行かせないよ」と洋兄ちゃんのひと言で久美さんはしぶしぶながらもあきらめてくれた。
「ありがと。私は大丈夫だよ。あれだけ飲んで騒いでってしたらスッキリした」
「あー、そうね。夕べはしおちゃん騒いだわねぇ」
久美さんは笑った。
房総半島のオーベルジュではワインを飲み、美味しい料理を楽しんだ。
そして、昨夜は3人で家飲み。
久美さんの命令であれからずっと私の部屋着は白猫。
またまたお酒を飲み過ぎてしまい、白猫姿の私はやりたい放題だったらしい。……途中から記憶がない。
やりたい放題って何をしたんだろう。
久美さんは笑って「かわいかったわよ」って言うばかりで教えてくれない。
洋兄ちゃんは「志織はもう禁酒って言いたいところだけど。社会人として飲まなければいけない場面もあるだろうから、乾杯は許すけど。外ではあんまり飲むな」って言うだけ。うーん。
そして、やっぱり最後は洋兄ちゃんの膝で寝た……という。
久美さんのスマホには白猫姿の私の写真が何枚も残されていた。素面で見て卒倒しそうになって途中で見るのをやめた。これは伝説の老酒事件第2幕じゃないだろうか。
お酒、控えよう。
休暇はあと1日。
久美さんを空港に送った帰り道で洋兄ちゃんに言った。
「私も今日うちに帰ろうかな」
洋兄ちゃんは運転しながら横目でチラッと私を見た。
「仕事は明後日からだろ?明日帰ればいいよ」
「うん、でもね。明後日からの仕事に備えて部屋の片付けや食料品の買い物したりしておきたいし、今のスマホを解約して、電話番号も変えて新規契約もしたい。だから、明日は朝から動かなきゃ」
手を握りしめてグーにした。「がんばるよ」
それに、1人でちょっと調べたい事があった。
「わかったよ。でも、今夜の夕食は一緒にたべような」
「うんっ」
過保護だけど、私の自立心も尊重してくれる私の大切な人だ。洋兄ちゃん大好き。ん?
あれ?何だかデジャヴ?
「ね、洋兄ちゃん」
「なに?」
「私、昨日酔って途中からの記憶がないんだけど、もしかして『洋兄ちゃん大好き』とか言った?」
「はぁぁあ?!」
変な声を出して黙ってしまった洋兄ちゃんをジッと見つめた。
「志織、そんなに見るな」
「じゃ、教えて」
「……後で」
「絶対だよ!」
「ああ」
怪しいっ。なんかアヤシイ。
いつでも落ち着いている洋兄ちゃんが私から目をそらすし、心なしかそわそわしてるような。
これは、老酒事件の時のように私が何かしでかしたとしか思えないけど、それだけ?久美さんは昨日は洋兄ちゃんも酔っていたって言ってた。
ナニがアッタンダロウ。
結局、その後も何があったのかを教えてはもらえなかった。
洋兄ちゃんは絶対黙秘だったのだ。
「うそつきー、教えてくれるって言ったのに」
「志織、いいから、何にもなかったから」
「やだ、なんかあった。教えて」
「ないよ」
「洋兄ちゃん!」
「ない」
とまぁ、こんな感じ。
後で久美さんに聞くからもういいや。
夕食後、私はアパートに自分の車で帰宅した。
驚いたことに洋兄ちゃんは自分のマンション近くにもう1台駐車場を借りてくれていて、私が自由に往き来できるようにしてくれていた。
なんて過保護でステキなお兄ちゃんだ。
そんなに甘えていいのだろうか。