心の中で3人の名前を呼んで繰り返す。


あくまでもこれは合コンだし、深入りするのはよくないよね。


友達みたいになれなれしくしゃべったら絶対にウザいって思われるだろうし。


なんて思っていると、若葉が数歩前に進んでまたこちらを振り返った。


「自己紹介も終わったことですし、さっそく予約した場所に行きましょうか」


若葉のその言葉で、野々村さんが拳を上にあげて「よっしゃ!」と嬉しそうに叫んで、畠さんはさっきまでの笑顔が嘘のように無表情になり、磐波さんはなにも言わずにこくんとうなずいた。


本当にこのメンバーで合コンなんて、大丈夫かな。


少しばかりの不安を覚えつつ、若葉の数メートルうしろを歩きはじめる。


「ねぇねぇ若葉ちゃん、ここからあそこまで歩いてどのくらいかかるの?」


「えっと……徒歩だとだいたい15分くらいかかりそうですね」


さっそく野々村さんが若葉の隣まで早歩きで前に出る。


若葉はとくに抵抗を見せることなく淡々と問いかけられた質問に答える。


その姿は羨ましくなるほどだ。