助かった……。


胸に手を当てて深呼吸を繰り返すことしか今の私にはできなかった。


目線を変えると若葉が呆然として私を見ていたので我に返り、慌ててかばってくれた人から少し距離をとった。


「な、なんかごめんなさい。空気乱しちゃうようなことして。わ、私、あさお……若葉ちゃんのクラスメイトの榎本抹里です、よろしくお願いします!」


焦りと緊張が入り混じったため、言葉をところどころ詰まらせてしまったが、なんとか男子3人に言いたいことは言えた。


ペコリと頭を下げようとしたが、その3人がやわらかな笑みを見せたのでひと安心する。


一番左にいる人が、一歩前に進んでいつの間にかうしろに並んだ残りのふたりを指さした。


「こっちこそよろしくね! あっ、ちなみに俺は野々村 慎(ののむら しん)ね。真ん中にいたやつが畠 浩伸(はたけ ひろのぶ)、右にいるのが磐波 賢一(いわなみ けんいち)だよ」


その人が早口で話したせいか、言葉の内容があまり伝わらなかった。


だけど誰が合コンに参加するのかはなんとなくわかった。


金髪の人が野々村さんで、いい意味で普通な感じの人が畠さんで、私を言葉でかばってくれた人が磐波さん、でいいんだよね?