え……!?


莉香も柚姫も、驚きを隠せない、といった様子であんぐりと口を開けていた。


「っておおー!智弘じゃねぇか!!こんな所で会うなんてな!」


彼の陽気な声は危機感が無かった。
恢斗の持っている懐中電灯が
ニコニコした顔を照らす。


まるで学校の廊下で出会ったかのような
自然ぶりだった。


「え……え?」


未だに現状を把握していない私達に
智弘は彼と肩を組みながら説明し始めた。


「俺も驚いたよ……こいつ、5組の松林 瑛太(まつばやし えいた)。俺の友達」


なんでこんなとこにいるんだよ、と松林君、だっけ?の肩を小突きながら笑う智弘。


さっきまでの緊張に溢れた顔から一転し、
その顔は安心しきっていた。


「いやぁー…今日の事件で死んだ小林、俺のダチでよ。噂のせいで死んだんじゃないかって思って」


思わず来ちまった、そう言って松林君は


苦笑いを浮かべた。


そっか……
私達以外にもいたのか。


予想外の知り合いの登場に、
雰囲気が温まって行くのを感じた。