隣の莉香と手を固く繋ぎ、
思わず目を閉じ、耳を塞いだ。


なにも見えず、なにも聞こえない世界は
違和感に溢れていた。


「……ん…」


暫くし、そっと目を開ける。


「おーい」


視覚と聴覚が戻った途端、
知らない声が耳に届いた。


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


柚姫と私と莉香の絶叫が混じり合う。




「……え!?ちょ、なになに叫ばないで!!!」



面食らったような声が再び届いた。


……ん??


またしても聞こえた知らない声……だけどなんか……



あれ……幽霊じゃ、ない?


恐怖を感じなかった。


暗闇に目が慣れてくると声を発した人影がくっきりしていく。


「っておい……松林(まつばやし)じゃないか!!」


智弘の驚いた声。