―数10分後―――
 
私と理巧は無事に配給をもらえた。
 
「持つよ。」
 
「え、でも理巧だって沢山持ってるのに…。
 
悪いよ!
 
そんなに重くないし大丈夫だよ。」
 
だから大丈夫。
 
「良いから、1つ貸せって。

俺は男だから良いの。」
 
「……分かったよ、ありがとう。」
 
そう言って1つ理巧に持ってもらった。

………何か気まずいな。

何か話しかけた方がいいのかな?

「ねぇ、理巧?

最近まで何してたの?」

話題がこれしかなくてちょっと食い付き気味になっちゃった。

「最近はなぁ…。」

理巧が考え始めた。

「その配給寄越せッッ!!」

え?

「バンッ!」

……ビックリした。

突然変な人が来たと思ったら、転ばせて配給持ってっちゃった。

「大丈夫かッ!?」

理巧がそう言って手を差し出してくれた。

「大丈夫だよ。

ありがとう!」

そう言って立ち上がると理巧は怒り始めた。

「ったく、あいつ人の配給奪うのも最低だけど転ばせるなんて、最悪だな…。」

理巧はそう言った。 

「仕方無いよ。

みんな生きていくのに必死だからさ、何をしてでも生きようとしてるから。

それに、女の人を狙った方が取れる可能性が高いでしょう?」

そう返すと理巧はもっと怒り始めた。

「だからって、女を狙うとか…。

男としてどうなんだよ。」

何で理巧はこんなに怒ってるんだろう?