―数日後――――

今日は配給の日。

早く行かないと沢山人が並んでて貰えないかもしれない。

ケータイはもう使えないし。

そもそも連絡がつかない。

財布を持ってたとしても、お金を持ってたとしてもこの世界ではそれも通用しない。

生き残る事が全てになったこの世界。

でも結局最後はだれでもウイルスに感染して死ぬ。

だから、恋愛だの友情だのそんなの関係ない。

とにかく生きる。

例え、何があっても生き続けないと。
 
あの時、例え世界で一人になったとしても生き抜く。
 
そんなことを話しているうちに、配給される場所に着いた。
 
もっと早くに来れば良かったな。

「あの、すいません。
 
並んでますか?」
 
背後から男の人の声が訪ねてきた。
 
「はい。
 
並んでます。」
 
後ろを向いてそう答えると、
 
「え、美雨?」
 
え、この声って。
 
「理巧?」
 
理巧なの?
 
「やっぱり美雨だ。
 
美雨も生きていたんだな。
 
良かった。」
 
理巧はそう言った。
 
「理巧も生きてたんだね。
 
良かったよ。
 
理巧も配給に来たの?」
 
冷静に答えてるけど私の心拍数は急上昇中。
 
「あぁ。
 
美雨も配給に来たんだな…。
 
それにしても、多いな。
 
俺たちの分まであるか?」
 
確かに。
 
大丈夫かな…。