「遥ー、帰るぞ」
「え?拓海部活は?」
「今日は休み。顧問が休みなんだってー」
へぇ、と相槌を打ちつつ、急いで荷物をまとめる。
そういえばこの学校は顧問が居ないと部活出来ないんだっけ。
(ちなみに奈々にはイケメン生徒会長のお迎えが来ていた。急な仕事が入ったらしいが、その時の奈々の顔といったらひどいものだった)
「ねぇ、今日マック寄ろうよ!」
「しょうがねぇな、今日は奢ったるよ。
なんてったってお姫様だもんな!」
「おうおう何とでも言え?
奢ってくれるならオールオッケー。
奢りならファミレスにしよう」
「300円までな」
「ケチー!せめて500円!」
拓海と肩を並べて教室を出る。
ちらりと瀬川を伺うと、他のクラスの可愛い女の子に何か誘われているようだった。
「うわっ!」
よそ見をしていたからか、何もないのに転びそうになってしまう。
「っと、なにやってんだよ」
拓海が抱きとめてくれて、何とか体制を立て直した。
「えへへ、ごめんありがとう」
「気をつけろ」
「はーい」