今日が最後の通院になるだろうと、予感しつつオレは病院へ向かう。

治ったのは嬉しいが、夕花に会う口実がなくなるのがたまらなく寂しかった。

これから夕花に会うにはどうすれば…。


…………………………



「あ、ねぇねぇ!!もう治った?」

「おう、さっき先生にもう治ったぞ!って言われたところ。てか、病院の休憩スペースなんだから静かにしろよ〜」

「むー、いいじゃん誰もいないんだし」

「それはそうだけど、一応」

「は〜…治っちゃったのか…。じゃあもう君とは会えないのか…」

夕花がものすごく残念そう…に見える。オレの目がイカれたのか?

「まぁ…、あんまり病院こないし…」

オレがそう言うと、夕花は決意を秘めた目をオレに向けた。

「え…と、ね。良ければで良いんだけど、私と…つ、付き合って貰えませんか?」

え…?

オレの中はハテナだらけだった。

突然のことに思考が追いつかない。

「あの、…えっと、私、病院にしかいられないけど、それでも良かったら!」

「お、オレなんかと?」

信じられない。

オレは夢を見ているのか?

「うん!気を使ったり、無理はしないで!!」

「本当に…?…オレで良いなら、こちらこそよろしくお願いします!!」

「っ…!!やった〜!」

頬を上気させ、飛び上がらんばかりに喜ぶ夕花。



こうして、オレ達は付き合い始めた。