「ごめんなー…真白ちゃん新しいの買ってくるから待っててな」



そっと頭に近づいてくる手を私は跳ね除けた。



「別れる」



「…はっ真…白…」



翼は、優しい。


誰よりも、自分よりも私を優先してくれる。


今日だって仕事早めに切り上げて迎えに来てくれた。


でも、他の人には違うみたい。




何言っちゃってんの…こいつ。



ほんと誰。




「真白って呼ばないで。きも。さよーなら」



周りの人がクスクスと笑った