「…それが、お前の本心か?
真白…俺を信じて言え」





「…ゃ、やめてよっ…そんな風に優しくなんかしないでよっ…」





「…するよ。大切っつったろ。お前は俺の大切な人だ…」





「…ふぇっ…もぅ、だって分かんないんだもんっ…」





優しく背中を摩ってくれる。




あのね、ずっと苦しかった




本当は、聞いて欲しかった




「…本当は、ずっとずっと好きな人がいるのにっ怖くて、ダメでっ…だって」




だって、好きなんて言ったら離れちゃうかもしれない。





嫌いって言われちゃうかもしれない。





この関係が壊れちゃう…




そう思うと、言えないから…




「他の人で、うめようとしてっ…でも、埋まんなくて…ずっとずっと虚しかった…!
悲しかったっ…!!」





「怖いよな、苦しいよな
もっと早くに聞いてやれなくて、ごめんな」





「今のままならずっと隣を歩けるのにっ、わざわざ終わりのある関係なんてなる必要ないって…っう…ぅっ…」






「その気持ちは、分かるよ俺も。
壊したくないから、大切にしたいから
無かったことに、したくなっちまうんだよな」




そうなの、だって



初めて大切だって思えたから




初めてこの場所が好きだと思えたから





ただ、壊れるのが、怖かった。




「俺も好きな人がいるから、その気持ちも分かる、それに俺だって…こぇーよ」





それはきっと、あの年上の彼女の事で




最後の声は震えていた。