「まあ、いいや。とにかく、お互い頑張ろうぜ?もちろん、お前に負けるつもりはねぇけど」


玲音くんは、持っていたペットボトルの一つを壱夜くんに手渡すと、一足先に桃舞くんが休んでいるベンチの方へと走って行ってしまった。


「一体、なんなんだ……アイツ」


「さ、さあ…?」


玲音くんが何の話をしていたのか、よく分からない。


でも、嬉しかったことが一つある。


「おい、急にニヤニヤし始めるな。不気味なんだけど」


「だって、壱夜くんが私のことを“大切な友達”って言ってくれたんだもん!そんな風に言われたのは初めてだから、嬉しくて!」


なんだか、特別感があってドキドキしちゃった。


ちょっと舞い上がり過ぎなのかもしれないけど、出会った頃のことを考えると、ここまで近付けたんだなぁ…って、ジーンとしてしまう。


これから、もっと仲良くなれるように頑張るぞ…!


そして、目指せ…壱夜くんの彼女!


心の中で気合いを入れた。