「でも、あの男の子の彼女にしては、ちょっと地味じゃない?」


「超絶美女ってわけではないけど、あの子、普通に可愛いと思うよ?」


な、なんか…私の話になってる。


そもそも、玲音くんの彼女じゃないんですけど…。


玲音くんだって、勝手に決めつけられるのはイヤなはず。


誤解が無いように“私たちは友達です”って説明してきた方がいいかも…。


女の子たちの方に体を向けて、足を進めようとした時。


「……ひゃっ!?」


右頬に冷たいものが触れる感触がして、思わず変な声が出てしまう。


驚いて頬を手で触ると、玲音くんが私の反応を窺うように顔を覗き込んできた。


「お待たせ。これ、碧瀬の分な」


「う、うん…。ありがとう」


少し意地悪そうな笑みを浮かべる玲音くんから、ペットボトルを受け取る。


今の冷たさの正体は、これだったのか…。


突然だったから、本当にビックリした…。