心配していたが、言い終えると数人がパチパチと
拍手をしてくれる。
ホッとしながら着席すると、次はあの子の番になった。

田島は無表情のまま席を立ち上がりもせずに「田島未来です」とボソッと呟く。


席が近い人にしか聞こえないくらいの小さな声に
「何、あの子」や「陰キャラじゃん」なんて事を
言われていた。

もう少し愛想良くすればいいのに。
私には関係ない事だけどさ。


全員の自己紹介が終わってもまだ田島の悪口は
途切れなかった。

私の事は言われてないかな、なんて不安になって
しまう。
大丈夫だよね。ちゃんと立って自己紹介したし普通だった筈だ。


ふぅと息を吐きながら、チラッと後ろを見てみると田島は机に突っ伏していて。
誰も話しかけるなって意味なんだろうか。


やっぱり近寄り難い子だと、改めて思った。