桜中駅から北に真っ直ぐ進むと大きな寮、''桜国寮''がある。


その寮は3つの学園の生徒会役員が暮らす寮であり、一般生徒は入れない。


一般生徒の寮は各学園の敷地内にあるため、生徒会役員だけが特別寮となっている。


桜国寮は4階建てで、各階で学園が決まっている上、生徒会役員一人一人の個室が用意されているとても豪華な寮だ。


桜中駅から桜国寮を越え、そのまま直進した真正面が桜宮学園、桜国寮から右折した先が桜鬼学園、左折した先が桜姫学園である。


桜国寮からそれぞれの学園までは、寮から道の先に学園が見えるほどの距離である。



桜国寮はとても広く、各階に学園ごとの共有リビング、ダイニング、キッチン、お風呂などが設けられている。


1階は桜姫の寮、2階は桜鬼の寮、3階は桜宮の寮となっていて、4階は大きな会議室と資料室、また各学園ごとの小さな会議室が3部屋ある。


会議室では3学園の役員全員での会議ができるようになっていて、資料室も各学園の資料が全て保管されている。


小さな会議室では各学園ごとで会議をすることが可能であるが、学園にも生徒会室があり、各階寮のリビングでも役員は顔を合わせるため、使われることはあまりない。


とにかくこの寮はとても広い。


桜国寮は一般生徒用の寮に比べて豪華であり、役員は1年間その寮で生活することが決められているが、生活に不自由はないため、役員の中で通学制を希望する者は今までに誰もいなかったらしい。


それに比べて各学園の敷地内にある一般寮は2人一部屋で同室だ。


各部屋が2LDKで、そこらの全寮制の学校の寮に比べればとても広く豪華ではあるが、桜国寮とは比べ物にならない。


桜国寮で暮らすことも又、生徒達の憧れであった。



桜中駅から桜国寮、又桜国寮から各学園までの道は全て歩行者天国のようになっていて、車やバイクは入ってくることが出来ない。


4車線ほどの広さがある道の両側には大型ショッピングモールよりも店舗が豊富なくらいのファッション専門店が散らばっている。


さらにはコンビニ、スーパー、ファストフード店、少しお高めのレストラン、全国各地に散らばるチェーン店などもあり、それに加えて銭湯、書店、薬局など、幅広い店が並んでいる。


桜国と呼ばれる地域の中は、そこらの都市よりも栄えていて、何不自由ない生活を送れるのだ。


桜国、といっても道の両側にある店や施設は学園専用という訳ではないため、生徒でなくても買い物をすることができたり、桜国周辺に暮らす住民達にとっては生徒同様生活の中心となる場所である。




そんな素晴らしい場所である桜国の中の3つの学園は交流が盛んである。


各生徒会役員の寮がまとまっていることからしても分かることではあるが、入学式、卒業式を含むほとんどの行事を合同で行っている。


そのため、行事の中心となる桜宮学園の敷地は桜鬼と桜姫の3倍はあり、グラウンド、体育館、全体ホールや学園食堂などがとても広く造られている。



各学園ごとに、3学年、各学年6クラス、各クラス30人で全校生徒540人いるため、合同で行事を行うとすると1500人を超える人が集まる。


1500人が同時に同じ場所にいても入り切るほど、各施設は広く造られているのだ。



各行事を仕切るのも生徒会である。


会長1名、副会長2名、書記1名、会計2名の計6人からなる各学園生徒会。


更に各学園生徒会6人が集まる桜国生徒会、計18名。


18人の生徒会役員が、この桜国を創り、また継いでいく。





桜国各学園、創立50年。





節目を迎えたこの学園に居合わせた彼らは歴代最強の生徒会と呼ばれることとなる。







『桜姫学園』



3つの学園の中では一番偏差値の低い学園ではあるが、全国トップの女子校だ。


桜中駅から桜宮学園に向かう道を桜国寮の位置で左折した先にある。


女子校であるためか、桜国寮から学園までの道にはファッション専門店、スイーツやヘルシー基準のレストランが多く見られる。


ネイルサロンや美容院、マッサージ店があるのも桜姫が女子校であるからだと思われる。


入学試験に容姿審査があり、結果的に美意識の高い女子が多く集まるので、こうした店は生活に欠かせないのだ。




そんな桜姫学園の生徒会は美少女が揃う。


中には中性的な顔立ちをした、パッと見男か女かわからない美しさをもつ者もいたりする。


勿論頭も良く運動もできるため、その容姿に嫉妬する者は居らず、桜姫の憧れの的だ。



今年。


創立50年を迎えたこの学園の生徒会は、桜宮と桜鬼の生徒会と共に、後に歴代最強と呼ばれた。





50期生桜姫学園生徒会