「ここ、どこだか分かる?」 彼女の問いかけに、俺は首を横に振った。 「病院だよ」 病院…? そう言われて、改めて周りを見渡してみる。 言われてみれば…。 部屋は全体的に白色。 俺が腰掛けてるベッドも、白パイプだ。 病院独特の、匂いもしている。 「…なんで俺が…病院に?」 「……やっぱり…覚えてないんだね…」 悲しげにそう呟き、彼女は近くの椅子に腰掛けた。