***
「甲子園球場のデカさは半端ないんだからー‼
歩舞(アユム)も一回は行くべきだよ」
高校野球が大好きな寧音が、あの試合から少し興味を持ったわたしに野球のルールを教えてくれていた。
でも、寧音には悪いけど聞いてるだけでは右耳から入って左から抜けるような気分。
聞き流していても、夢中で野球ルールや期待選手の解説をしている寧音には気付かれない。
キーンコーン──……と、聴きなれたチャイムが鳴る。
「あ、授業始まるから帰る!」
「んじゃー続きはまた今度教えてあげるねぇ♪」
軽く手をふるわたしが教室を出ようとした時──
「わっ……」
「あ」
誰かにぶつかった。
その人はぶつかった衝動でよろけたわたしの腕を持ち支えてくれた。
握る手はわたしの腕よりも黒く焼けている。
顔を上に向けた。
「すいません。大丈夫?」
「あ……ごめんなさいっ‼ありがとぉ…‥」
「甲子園球場のデカさは半端ないんだからー‼
歩舞(アユム)も一回は行くべきだよ」
高校野球が大好きな寧音が、あの試合から少し興味を持ったわたしに野球のルールを教えてくれていた。
でも、寧音には悪いけど聞いてるだけでは右耳から入って左から抜けるような気分。
聞き流していても、夢中で野球ルールや期待選手の解説をしている寧音には気付かれない。
キーンコーン──……と、聴きなれたチャイムが鳴る。
「あ、授業始まるから帰る!」
「んじゃー続きはまた今度教えてあげるねぇ♪」
軽く手をふるわたしが教室を出ようとした時──
「わっ……」
「あ」
誰かにぶつかった。
その人はぶつかった衝動でよろけたわたしの腕を持ち支えてくれた。
握る手はわたしの腕よりも黒く焼けている。
顔を上に向けた。
「すいません。大丈夫?」
「あ……ごめんなさいっ‼ありがとぉ…‥」