「俺……ここんとこ、お前の事ばっか考えてた。廊下ですれ違っても前みたいにふざける事なくなって……なんか……その……」
「淋しかった……わたし」

輝空くんが一瞬言葉につまった所に言葉を出した。

「せっかく仲良くなったのに、出会う前みたいに無関係みたいで……淋しかった」

下を向いたら涙がこぼれそうだ。

ごめんなさい。
掲示板に何書かれたって、ほんとそんな事どうだっていいよ。反感をくらう事も、嫌がらせを受ける事も。輝空くんとの関係がなくなるのに比べたらどうだっていい事だったよ。

「好きで避けてたんじゃないの……ごめんね……傷つけてごめんね……」

マメだらけの手がわたしの頭を撫でる。

「俺、進路室ん時……なんかショックで何も話聞かずにあんな事言って、後悔してた」

頭にあった手は下へ降りていき、頬をつたう涙を不器用に拭いてくれる。