読まれるメッセージが残りあと二つになって。わたしと寧音は、ダメモトだったからしょうがないね。と、笑って諦めた。

「あたし、歩舞は強いと思うよ」

ヒューゥー……

「わたしはそんな……」
「そうやって‼」

わたしが言い終る前に大きな声で言葉を出した寧音。

ッド――ン……

「そうやって、もがきながら自分を保とうとしてる歩舞って、強いなって思う」

花火の光に照らされた寧音の顔。本当は、わたしの気持ちを知っていたんだ……

「寧音……ありがとう」

「え!?何が?」

照れ笑いする寧音に、ふたりの所に戻ろうか。と言って歩き出す。

ありがとうじゃ足りない。わたしの弱さを見ててくれたこと、ありがとうでは伝えられないほど嬉しかった。

ヒューゥー……

「あ、待って……靴擦れ……」

「え?あたし、バンソウコウ持ってるよ」

ッド――ン……


《──……大切なあゆむへ。》


そう、それはあの夏に戻ってホームランでも打たれたかのようなそんな感覚。