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赤や青、たくさんの色が散りばめられて夜空に咲く打ち上げ花火。色付く瞬間を何百人という数の人が待ち望む。
けど、わたしはきれいな輝かしい色が付く前の爆発した瞬間の赤茶色いスジが好き。
輝空にメル友が出来たかもしれない。
そんな情報を、野球部のマネージャーの子から聞いたのは季節はずれの花火大会が間近にせまった頃だった。
衣替えをした制服、暖房を入れて欲しい一時間目の授業、曇り空の続く毎日はわたしの心を映した鏡。
一年前の同じ時期に比べると、わたしの交友関係もだいぶ広まった。
クラスメイトの顔を見ればパッ、と名前を言える。同じ普通科の女の子であったら、ほとんどの子と話を交わしている。
後輩にも知り合いが増え、クラス以外の男の子ともぼちぼちと。
輝空の世界がわたしのように変わる可能性なんてどこにでも落ちているんだってことは、ずっとずっと前からわかっていた。
だから、少しショックだったけどなんともないような顔をして自分を保とうとした。
きっと、寧音には普通のわたしに見えていたと思う。咲と尊にはバレていたのだろうけど。
赤や青、たくさんの色が散りばめられて夜空に咲く打ち上げ花火。色付く瞬間を何百人という数の人が待ち望む。
けど、わたしはきれいな輝かしい色が付く前の爆発した瞬間の赤茶色いスジが好き。
輝空にメル友が出来たかもしれない。
そんな情報を、野球部のマネージャーの子から聞いたのは季節はずれの花火大会が間近にせまった頃だった。
衣替えをした制服、暖房を入れて欲しい一時間目の授業、曇り空の続く毎日はわたしの心を映した鏡。
一年前の同じ時期に比べると、わたしの交友関係もだいぶ広まった。
クラスメイトの顔を見ればパッ、と名前を言える。同じ普通科の女の子であったら、ほとんどの子と話を交わしている。
後輩にも知り合いが増え、クラス以外の男の子ともぼちぼちと。
輝空の世界がわたしのように変わる可能性なんてどこにでも落ちているんだってことは、ずっとずっと前からわかっていた。
だから、少しショックだったけどなんともないような顔をして自分を保とうとした。
きっと、寧音には普通のわたしに見えていたと思う。咲と尊にはバレていたのだろうけど。