輝空と別れてからも時計は回り続ける。わたしは少しずつ輝空のいない秒針の世界になれていった。
寧音と毎日くだらないおしゃべりをして。また、咲の直央を思う姿を見て憧れて。尊のつまらないモノマネをバカにしながら。
そんな風に笑っていたら、いつの間にか見上げた空の雲の形も変わっていた。
「最近じゃ、日の長さも変わってきたなぁ」
現代文の授業で短歌を考えていた時、堀田ちゃんが窓の外を見ながらふと、もらしたその言葉をわたしはなぜか覚えている。
確か、その時わたしは寧音の先に見える席を眺めてマイペースにシャーペンを動かしていた。
《夏空の 雲は遥かに 上を向き 何を考え 何処へゆくのか》
片想いからの再スタート。
というより、マイナス100からの出発と言った方がわたしにはお似合いだった。
寧音と毎日くだらないおしゃべりをして。また、咲の直央を思う姿を見て憧れて。尊のつまらないモノマネをバカにしながら。
そんな風に笑っていたら、いつの間にか見上げた空の雲の形も変わっていた。
「最近じゃ、日の長さも変わってきたなぁ」
現代文の授業で短歌を考えていた時、堀田ちゃんが窓の外を見ながらふと、もらしたその言葉をわたしはなぜか覚えている。
確か、その時わたしは寧音の先に見える席を眺めてマイペースにシャーペンを動かしていた。
《夏空の 雲は遥かに 上を向き 何を考え 何処へゆくのか》
片想いからの再スタート。
というより、マイナス100からの出発と言った方がわたしにはお似合いだった。