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夏休みが終わった。
「ほらーそんなことすると彼氏が怒るよ‼」
授業中、わたしが別れた事を知らないクロは一学期と変わらずわたしを茶化す。
そんなやり取りを前で聞く寧音はクロを睨み、わたしに心配そうな目をチラッと向ける。
夏休み明け早々のテスト。
わたしは一番後ろの席だから、前の方にいる輝空が見える。少し前まであんなに近かったのに、今では背中が遠く感じる。
唯一、隣の席になれる日本史は前まではどうしようもないくらいに待ち遠しかったのに……息苦しい。
それでも約束をしたから元気に話しかけるようにした。それでも二人の間には緊張が生まれてしまい、無理に話しかけようとするとそのテンションも長くは続かなくなってしまう。
時が立つにつれて億劫な気持ちが増して逆に距離を感じてしまうようになり、手で顔を隠して涙を見せないように泣いた。
『俺の前で、もう泣くなよ』
わたしは約束をやぶってしまったのだ。
そんな日々が続いて、生きがいなく生きていた。