涙が溢れ出して止まらないわたし。輝空はそんなわたしの右手を繋いでくれた。
ゴツゴツしてる手、いつもわたしの頭をなでてくれる手。いつだったか、剣道と野球のマメ比べをしたっけ。
初めて繋いだのはいつだったのかな?

これが最後。手を離したら終わり。ずっと、この手を離したくないけれど……頑張る君が好き。

だから、わたしと別れるんだから強くなって?
最高に輝いてください。大好きだから別れるよ。



──……いつの間にか無くなっていたブランコ。
いつか……あぁ、そんなブランコもあったなぁ。と思う日が来る。

そうやって、こんな想い出も懐かしく思える日がくるのかな……
あぁ、あの子と付き合った事もあったなぁ、って……──


夜のお宮。
いつの間にか暗くなった空を見て、わたしは繋いだ手を離した。