距離を置いて以来、一日も一秒も思わなかった日はないよ。でも……

【元気にしてたかー?】

メールを読んで

【当たり前じゃん★わたしから剣道と元気をとったら何も残らないよ‼】

と、無理に元気なふりをしたのは強い自分でありたかったから。


夕方いつものお宮で会う事になり、それまでに今の想いを伝えるための準備をした。
手が擦れてひりひりと痛むけど、急がなきゃとそう思って涙を溜めてわたしは手を動かす。

待ち合わせの時間より、いつも早めに着いて輝空を待つ。この日もそれは同じ。

輝空と初めて話をしたのは買い物先のスーパーだった。
それから廊下で会う度、いたずらっぽくかまってくれてそれが嬉しかった。

二年になって同じクラスになった時、すぐに話し掛けてくれて。選択授業では隣の席になり、よく二人でしゃべっていて先生に怒られ。教科書の音読をわたしたちばかりあてられる週二回の日本史が楽しみになった。