ドーン──……ドーン──……

赤や青の花火が空に絵を描く。
口をあけて見上げているわたし。

「きれい……」

自然と言葉がこぼれた。


──……♪~
聞き覚えのある着信音は、わたしを深い眠りから呼び起こすように鳴り響く。
いつかはこの日が来る事を知っていた。


ーーー
ーー

久しぶりに鳴ったメールの受信音。
お祭りの帰り道、スマホの電池がなくなってメールが返せず。家に帰ってから送信しても時間も時間だったのか、その夜返事が返ってくることはなかった。


悲しさに枕をぬらした夜も「起きてこないと思ったらまだ寝てる‼遅刻するよ」
母の一言で朝を向かえ、重たい体をしぶしぶ起こす。

枕の横に充電器につながれたスマホをなにげなく見ると……
【受信メール一件】
その画面表示に鼓動が高鳴った。

「……バカだな」

スマホの画面を消して目をつむり、胸に押し当てる。それから急いでジャージを着て、朝稽古のために学校へと向かった。