輝空くんを傷つけた。

“ごめんな……”
頭から離れない言葉が繰り返されて眠れない日々が続く。

そんなつもりじゃないよ……嫌いじゃないよ……。ごめんね、はわたしが言わなきゃいけないの。
輝空くんと……大切な人と二度と話せない。そんなの絶対嫌だと思った。

謝らなくちゃ。
そう思ったのに何日も経ってしまった……



野球部の集団が廊下にいる時は、だいたいそこには輝空くんもいる。
すれ違い際、いつも二人だけでアイコンタクトをとっていた。笑顔を向けたり、わざとふざけて睨んだり。

……だけど。あれからそんな二人はいなくなった。目を合わせない、目を合わせてくれない。
まるで名前も知らない他人……そんな関係に戻ってしまったようだった。

リセットボタンが欲しい。強くそう思った。