キーンと、いい音色をあげたそのボール。高く、高く飛び…………スポッ。

「あ……」

見事な……フライ。ガッツポーズの対戦チームに対し、輝空は肩を落としてぐったり。
わたしはベンチの上で大きく笑った。

ベンチへ戻ってきた輝空に、格好いいねぇ~。とわざとらしく言うと輝空はわたしを指さして、マジ俺格好いいから。と強気に言いはった。


その日、輝空のソフトチームは準優勝に輝いたが。
その後、輝空と数人の男子がふざけてサッカーの試合に飛び入りをしたため、3位になるはずだったサッカーのチームは結局、失格となってしまったらしい。
まぁ、それも青春の1ページ……なのかはさておき、わたしが出たバレーは一回戦で終了。

足を引っ張っていたのは確実にわたしなのだろうけど、対戦相手が元バレー部だった咲のクラスだったことにも失点の理由はありそうだ。……と、少し開き直ってみようと思う。