教室の端っこで雑誌を広げ、自分の種目が始まるまで三人で時間をつぶした。

「尊はソフトボール出るんだって‼」

そりゃご愁傷様。と、わたしと咲は手を合わせて拝んだ。なによそれ‼と、寧音は足をバタバタさせる。

「だって、尊君って何かハプニング起こしそうなんだもん」

わたしの言いたいことをよく言ってくれた‼と、咲の頭をなでてみた。

「あーちゃんの彼氏君はなにに出るの？」

「ん？輝空もソフトだって」

じゃあきっと大活躍だね‼
そう言った寧音に、うん、尊と違って‼と、ふざけて断言してみると寧音はプクーッと頬を膨らませてケラケラと笑うわたしを睨んでみせた。

いつだかのようにパチンと頬をたたこうとしたら、手のひらが触れる直前に膨らんだほっぺが一気にしぼんだ。

「学習シタナ」

「アタボウヨ」


咲が直央のバレーの応援に向かってから少しして、わたしと寧音はグラウンドへと向かった。