【うそうそ‼大好きだよ♪】
深夜1時、そう送ったのに返ってこなかったメールの返事。今日も先に寝ちゃったのかな?と自己解釈してわたしも眠りについた。
付き合ってから毎日交わしていたメール。
試合が近づくにつれて輝空が先に眠ってしまうことが多くなった。
そんな夜が明けた朝は
【昨日は先に寝てごめんな】
と、決まってわたしの朝稽古が終わった頃にちゃんとメールが届いている。
……だけどこの日の朝だけはそれすらもなかった。学園祭の前日の朝だけは……
連日における学園祭の準備、おろそかには出来ない部活動。ハードスケジュールの中、なぜ学園祭の前日に球技大会なんかするのだろう。
「いいじゃん。運動会だとでも思えば♪」
寧音の限りない無限の元気が羨ましいようなそうでもないような……
「疲れるよ~。バレーなんて、わたし出来ないし」
剣道以外取り柄のないわたしにとって球技全般は苦手分野そのもの。
球技大会の開会式の間、わたしと寧音はマイクを通して体育館に響きわたる校長の話も聞かずにしゃべり込んでいた。
「それにしても残念だったね」
「なにが?」
抽選のことだよ。と言い直す寧音にわたしはあぁ……うん、と呟いて足下の白線のテープを見つめる。
「まぁ、仕方ないよ……クジ引いたのわたしだし」
開きなおってみせると、寧音は少し心配そうにわたしを見た。