ーーーーー
ーーー

「おはよう」

「お、おはよ」

玄関で輝空と一緒になった。
少し、緊張して裏返ってしまった声。
そんなわたしをプッ、と口を手で押さえて笑う輝空。
いつも姿は見ていたはずなのに久しぶりに会ったような気がした。

「歩舞、朝練は?」

「途中で抜けさせてもらった。学祭準備期間だけは許してもらえるの。
輝空は、朝のグラセンいいの?」

階段を上がりながら隣の横顔に尋ねてみる。

「今週のグラセンはB軍の日だから大丈夫」

一段一段上りながら答える輝空。
手はポケットの中、肩にかけられた見慣れたバック。

「A軍、厳しい?」

「ん、厳しいよ。みんな上手いから」

そっか。
わたしはそれだけ言って、輝空に気づかれないように下を向いて笑った。
いろいろあったけど野球を続けている輝空がそこにいたことが嬉しかったから。