スマホケースに張ったプリクラを眺めたら、無性に会いたくなった。

話したくなって聞いてほしくなって、ギュってしてほしい。隣にいてほしいよ……

プルルルル、プルルルル……
10回のコールで出なかったら切ろう、そう思って15回目のコールでボタンを押した。
輝空は部活中に決まってるのに……



いつの間にか眠りについていて、起きた時隣には輝空が笑っていた。

「なんでこんなところにいるの!?野球頑張るんじゃなかったの!?」

早く戻ってよ‼と、叫んだところで目が覚めた。

夢か……。
ドキドキしている心臓……頭が回らない。
あと少ししかない時間の中で、輝空は全力で高く飛んでいるのに。わたしは、電話なんかして何がしたかった?
わたしの話を今したところで、それは自分のことで精一杯な輝空の負担になるだけだ。

わたし、バカだ。
気持ちの葛藤で見えてきた自分のことしか考えていない弱い部分。





──……♪~
輝空からの着信、気づけばもう夜になっていた。

わたしは電話に出ないで、【なんでもない☆頑張ってね】と、メールを送った。

戻らないと行けないのは輝空じゃない。わたしだよ。