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ダブルダッチは、二本のクロスする縄波の中でたくさんの技を繰り広げ遊ぶスポーツ。普通に跳ぶくらいなら少しの時間で出来るようになる……
「ほんとうに、今日も帰るの?」
掃除の時間、ザワザワとした教室で荷物をまとめカバンに押し込んでいたわたしの目の前にホウキの棒の先にあごをついてる寧音が立っていた。
「もういいや。ごめん」
委員長と口論をして以来、わたしは放課後のステージ発表練習に顔を出さなくなった。
寧音は一瞬悲しい顔を見せつつも「じゃあ、また明日ね」と、笑って手を振るだけでわたしを止めたりはしない。
止められても嫌だけど、これはこれでわたしなんていなくていいんだ……と、少し寂しくもなる。
門を出た後の帰り道はひと気なく、わたしをもの悲しい気持ちにさせた。自分の足音がよく聞こえる、立ち止まれば消えるそれ。
ショッピング、本屋、ケーキの美味しい喫茶店、コンビニ……
別に、行きたいところなんてどこもない家に帰る気も起きない。
足が動く方向へなにも考えずに進む感覚。
いつの間に、わたしはお宮の石段に座っていたのか。
ダブルダッチは、二本のクロスする縄波の中でたくさんの技を繰り広げ遊ぶスポーツ。普通に跳ぶくらいなら少しの時間で出来るようになる……
「ほんとうに、今日も帰るの?」
掃除の時間、ザワザワとした教室で荷物をまとめカバンに押し込んでいたわたしの目の前にホウキの棒の先にあごをついてる寧音が立っていた。
「もういいや。ごめん」
委員長と口論をして以来、わたしは放課後のステージ発表練習に顔を出さなくなった。
寧音は一瞬悲しい顔を見せつつも「じゃあ、また明日ね」と、笑って手を振るだけでわたしを止めたりはしない。
止められても嫌だけど、これはこれでわたしなんていなくていいんだ……と、少し寂しくもなる。
門を出た後の帰り道はひと気なく、わたしをもの悲しい気持ちにさせた。自分の足音がよく聞こえる、立ち止まれば消えるそれ。
ショッピング、本屋、ケーキの美味しい喫茶店、コンビニ……
別に、行きたいところなんてどこもない家に帰る気も起きない。
足が動く方向へなにも考えずに進む感覚。
いつの間に、わたしはお宮の石段に座っていたのか。