無理難題なステージ発表、まとまりの悪いクラス、面倒な委員長会議。
もう、学園祭なんてなければいいのにとすら思った。

「歩舞……」

「……ん」

日陰に入って白い壁に寄りかかる。
タオルをかぶせた頭、その中をぐるぐると巡る億劫な考えにだいぶ滅入る。残って練習をしていたクラスメイトはわたしの様子を心配しているようだ。
このままじゃいけない……

「……ちょっと、ごめん。みんな練習続けてて」

わたしが急に立ち上がって寧音はビクッと驚いている様子。
声をかける寧音に曖昧な返事をしてわたしは走り出した。向かった先は……


「堀田ちゃん‼お願いッ」

職員室──

ピーン ポーン パーン ポーン……
『2年2組の委員長。校舎内に残っていたら大至急……』


5分後、ダラっとした制服姿であくびをしながら委員長はわたしの待つ教室に登場した。