*** いつだったかな── ミサンガが切れる時、夢が叶うんだよって、わたしは輝空くんに言った。 「じゃあ、ずっと切れないやつを作ってよ」 輝空くんの返答を聞いて、わたしはミサンガを作る手を止めてポカンと口をあけた。 「えっ、それじゃ夢がずっと叶わないじゃん」 「夢を叶えるために努力する時間が味噌なんだよ」 オレンジ・赤・白……三本の糸は、野球っぽい感じがいいと言った輝空くんにあわせた太陽の色合い。