それから譲治はコンビニでアイスをおごってくれた。

「これ食い終わったら寧音と話せよ」

駐車場でわたしは小さく頷く。
寧音に電話をかけると、すぐに出た寧音の声は少し小さな子猫のように弱々しく聞こえた。


30分後。自転車に乗った寧音が来て、寧音が言いたかったこと思ってたことをもう一度ちゃんと聞いて仲直りしたわたし達。

星がチラチラ増えてきて野球部がグラウンドの整備を始めた頃に、尊を呼んで中学校の頃によく4人で食べたラーメン屋へ向かった。
小さなラーメン屋のカウンターに座って、くだらない冗談にバカみたいに笑いあった。


「せっかくのチャンスを見逃さないで欲しいの」

わたしの背中をいつも押してくれる寧音。
わたしの幸せをまるで自分のことのように願う寧音は、いつかオレオレ詐欺にでも合うんじゃないか?と思うくらいお人好し。
そんな姿を見ると、いつか期待に応えられる自分になりたいと思った。