「ん……あの二人は仲良くやってるよ!」

寧音のことを思い出して、心なしかほんの少し顔が強ばってしまった気がする。譲治はその一瞬を逃さなかった。

「お前、なんかあっただろ」

いや、何も……と、話題をかわそうとしたがお構いなしに食らいつく。

「でた。そう言う時のお前は絶対何かがあるんだよ。どうせ寧音とケンカでもして気まずい状態になっちゃった~ってところだろ?」

こいつはどこまでわたしのことがわかるのだろう……いつもそう感じる。
わたしは今の状況を譲治に話した。

わたしの輝空くんに対する気持ち。
笑ってしゃべっていたのに急に態度を変えた寧音のこと……
積極性がないと言われたこと。
矛盾した言葉の数々、不満そうな寧音……

「今回はほんと、わたし意味わからないよ」

思い出して、またじわじわ苛立ってきた。
譲治はポケットに手をつっこんで下を向き、何も言わず話を聞いている。

わたしの言葉が尽きて、しばらくしてから口を開いた。