放課後、2度目の部内戦があった。
この間の部内戦は負けもあったが、納得のいく剣道が出来た。
でも今日は気持ちが乗らない。先輩からは剣が荒い、と言われる始末。

その日、稽古は少し早めに終わりわたしはゆっくりと支度をした。
いつの間にか部室はわたし一人だけになっていて、ふと出たため息はむなしく聞こえる。

このまま帰るのも億劫に感じたわたしはいつもと違う道を歩いていた。向かった場所は、学校の離れにあるグラウンド。
車の通りはそれほど多くはない並木道。その並木通りに野球部が練習をしているグラウンドがある。

ここは近くの短大の敷地らしいが、普段あまり使わないので野球部が借りている……と、いつだか輝空くんが言っていた。

向かい側には小さな駄菓子屋さん。
その隣のコンビニはよく高校生のたまり場になっているが、この日は立ち読みをしている中年のおじさんが一人いるだけだった。