教科書を棒読みする輝空くん。
席につくと、わたしの方を向いて
「お前のせいで怒られたじゃん!慰謝料」と、右手を出し小声で話しかける。
わたしはポケットからガムを出し、その右手に一粒置く。まぁ、あと一個くれたら許してやるよ。と要求するので消しゴムのかけらを投げつけておいた。
そのやり取りを見てまた先生に怒鳴られる……そんなくり返し。
正直、授業は半分も聞いていない気がするが、わたしにとって幸せな時間のひとつだ。
***
「歩舞、最近輝空くんと絶好調だよね」
日本史のあとの体育の授業。
通常だったら体力測定をする時間なのに
『今日は先生が一人いないので自由!』
……なんだそうで、毎回わたしと寧音は体育倉庫にある緑のマットの上で井戸端会議。
「なんで?」
「だって~幸せ続きじゃん‼憧れの球児と同じクラスになって、選択授業じゃ隣の席だし♪いつかバチあたるね、絶対‼」
席につくと、わたしの方を向いて
「お前のせいで怒られたじゃん!慰謝料」と、右手を出し小声で話しかける。
わたしはポケットからガムを出し、その右手に一粒置く。まぁ、あと一個くれたら許してやるよ。と要求するので消しゴムのかけらを投げつけておいた。
そのやり取りを見てまた先生に怒鳴られる……そんなくり返し。
正直、授業は半分も聞いていない気がするが、わたしにとって幸せな時間のひとつだ。
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「歩舞、最近輝空くんと絶好調だよね」
日本史のあとの体育の授業。
通常だったら体力測定をする時間なのに
『今日は先生が一人いないので自由!』
……なんだそうで、毎回わたしと寧音は体育倉庫にある緑のマットの上で井戸端会議。
「なんで?」
「だって~幸せ続きじゃん‼憧れの球児と同じクラスになって、選択授業じゃ隣の席だし♪いつかバチあたるね、絶対‼」