だが、今この説明をしてしまうとこの女性が余計怖がってしまうかも知れないと宮部は悩んだ。…が!

この潤んだ瞳にこの谷間がどうにも冷静な判断を鈍らせる。


「わかりました!なんとかやってみましょう!詳しい話をお聞かせ願いますか?」


女性は宮部の快い返事に安心したのか、顔に笑みを浮かべた。


隣で見ていた日野は呆れた表情で宮部を横目で睨んでいる。


「職場から自宅まで徒歩300mくらいなのでいつも歩いて帰ってるんですけど、その道で1週間程前から仕事の日に限って毎日ストーカーに合うんです。
もちろん、最初は勘違いだと思いましたよ。でも、アパートに入って窓から帰ってきた道を覗くと外に黒い服にフードを被った人がこっちを見てるんです。
本当に怖くて……。」


宮部は手帳を取り出しメモを取り始めた。


「ちなみにご自宅はどちらですか?」


「この館林です。」


「もしかして、ゴリラビルの付近ですか?」


「え、あ、そうです。でも、なんで分かったんですか?」


女性は疑問を宮部に呈した。